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お葬式の花嫁 ー 小澤香織展

会期:2008年12月6日(土)- 23日(火) 13:00-20:00
会場:L gallery,F-1
住所:〒465-0024名古屋市名東区本郷 1-43 The Apartment LiF F-1 
tel 052-774-5599
会期中は無休

アクセス:地下鉄東山線本郷駅下車、2番出口(北方面バスターミナル側)より徒歩7分。
エントランスの呼出しボタンF-1を押してお知らせください。
お車でお越しの方は、建物南の駐車スペース N にお停めください。

展覧会の内容
人からはゴミと呼ばれるもの、役に立たない、壊れた、不要なモノを収集し、うち捨てられたもの達が内包するウツクシサを、作品にすることで引き出してみせる小澤香織。
一見、奔放でキッチュ、デタラメでチープな世界は、優しく繊細な日々の積み重ねの結晶。彼女の世界に触れると、思わず笑みが零れ、ハッピーな気持ちになります。

二年ぶりの個展となる今展は、ミクストメディアのオブジェを中心に、インスタレーション「in」や、彼女の制作の原点でもあるスクラップブックが並びます
。 
師走の慌しい街を横目に、マフラー巻いたお出掛け日和、小澤香織展へと是非足をお運びください。


清楚な姿に芳しい香り、時に美の象徴とされながら、美しくあればある ほどに何処かしら寂しげで、孤高の影を落とす白百合。棺の中、百合の花 に囲まれた祖母を見た時「花嫁みたい」だと思った。

親しい者の死に直面した喪失感はそのまま、彼女の制作の原動力となる。 プラスとマイナスの感情が胸の中で天秤を揺らして初めて、作品に向き合 うことができるのだと言う。このエピソードだけを切り取れば、ただ貪欲 な表現者として映るだろうか。しかし、小澤香織の作品からネガティブな 空気が漂うことはない。

花言葉の通り「純潔」であるが故に、生と死のイメージを両の手に繋ぐ 百合のように、彼女もまた軽やかに、あっけらかんとさえしながら、その どちらの側とも手を繋ぐ。両極との交感の記録。記録するということは、 感情を引き剥がし、物を純粋なオブジェクトと化する強力な魔法。この 記録こそが、彼女の作品なのかもしれない。

壊れ、役目を終え、意味を失ったモノとの会話。ピンクやレース、お菓 子のような樹脂や石膏の質感、ブローチのような形。持ち主の手を離れ、 寄る辺ないものとなったガラクタ達の鮮やかな集積。滴り落ちた宇宙にも 見える“in”のインスタレーションと共に、ファニーでキッチュな小澤 香織ワールドをお楽しみください。慌ただしい師走の町の中、すこし微笑 みながら家路を辿っていただけることでしょう。(DMより)



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